自分を責めずに、嫌わず、自分がどこまで赦せるか、優しくなれるか
私も今まで、傷ついたり、迷惑を被ったりしてきましたが、それ以上に、自分で認識しているだけでも、たくさんの人を傷つけ、迷惑を掛けてきました。
自分で気付かないものも多くあると思います。そもそも人間、他に迷惑を掛けないで生きていくのは不可能です。自然の中で、すべてを自給自足をしている人でも、“いのち”を食べ、自然に迷惑をかけ、生きているのです。
ましてや、人間社会で人と関わり合いながら、生きていくには、傷つけてしまったり、迷惑を掛けることは避けられません。であれば、責め合って、憎しみ合って、生きていくより、迷惑を掛け合って、赦し合って、助け合って生きていく方が幸せになれるのではないかと思います。
若い時、(今も気持は若いつもり?ですが)短気で、怒りっぽい自分が嫌いでした。できるだけ、腹を立てないようにしようと心掛けてきました。
スタッフがミスをしたり、患者さんが治療に遅れてきたり、キャンセルがあると、若い時分は、すぐ腹を立てました。(今でも少々腹が・・・) 自分を振り返ってみると、自分もミスをするし、遅刻したり、休んで約束を守れないことがあったりします。
誰だってミスをするし、何か事情があったんだろうな、お互い様だな、と考えられるようになってから、そして、他にも、怒りについて、いろんなことを学び、経験してからは、だいぶ、赦せる?ようになってきました。
頭で赦そうと思っても、感情は別です。まだまだ、怒りまではいかなくても、不平・不満を感じ、いらいらしたり、愚痴が出るときがあります。でも、そんな自分を責めずに、嫌わず、自分がどこまで赦せるか、優しくなれるか、楽しみたいと思います。 “ゆるし”についての言葉をご紹介します。
<ゆるしのない世界>
・相手から与えられた痛みをいつまでも思い出し続ける ・恨みを抱き続ける ・過去に縛りつけられ続ける ・復讐する
ゆるしとは「相手を無罪放免にする手段」ではなく、「自分を自由にする手段」であり、過去や感情に縛りつけられていた自分を解放することができる。
- ゆるしは忘れることではない。
- ゆるしは、感情や心の痛みを否定することではない。
- ゆるしは、意志でできるものではない、命令されてできるものではない。
- ゆるしは、相手の責任を追及しないということではないし、自分の権利を放棄するものでもない。
- 怒りは力ではなく、弱さのしるし。寛容や忍耐は弱さのしるしではなく、強さのしるし。
- 怒りと憎しみこそが、私たちの本当の敵。怒りが10分間続くなら、8分に減らそう。5分、2分、そして、ゼロの状態まで。そうやって心を鍛えよう。
- 怒りや憎しみで問題は解決できない。解決できるのは、思いやりと真の優しさによるゆるし。
- 「一瞬だけ幸福になりたいのなら、復讐しなさい。永遠に幸福になりたいのなら、ゆるしなさい。」
※アンリ・ラコルデール